[富山] カドミウム汚染農地復元事業が終了したとのことです。
2012-03-18


同じ事ばかり書いていますが,
私が富山に移ってもうすぐ17年になります。
それまで富山には来たことはありませんでした。
豪雪地帯だろうということ, そして, 公害病で有名なイタイイタイ病で
知られたところ, あとは越中褌(ふんどし)でしょうか(^^;。
薬売りも知っていたかな?
ということで, 私が富山に来る前から,
名前だけは知っていたイタイイタイ病ですが,
その原因物質とされるカドミウムで汚染された農場を,
様々な方法でカドミウム濃度を下げて,
昨日(3月17日)に, その完工式が開かれたとのことでした。(*1)
カドミウム汚染地域についての説明が分かりやすかったのは,
(*1)のうちの, 朝日新聞のウェブ記事でした。
川の上流でも, 下流でもなく, 中流部分で汚染が酷かったようですが,
Wikipediaの説明(*2)を読むと,
神通川(じんづうがわ)の扇状地部分,
つまり, 上流からの急な流れが緩やかになり,
ある範囲の大きさの土砂が川底にたまっていく場所だということが
分かります。
原因物質とされるカドミウムは,
神通川上流の神岡(かみおか)鉱山から出ているので
カドミウムを含む土砂が, 主にここに堆積してしまった,
ということなのでしょう。
植物によるカドミウム吸収や, 土壌中のカドミウム除去についての,
環境省がまとめたと思われるpdfファイル(*3)を見ると,
なかなか大変そうです。
鉱山から出る水には, カドミウム以外にも,
通常の土壌にはない物質が流れていたでしょうから,
もしかしたら, カドミウム以外の元素も,
何か悪さをしていたのでは, などとも考えてしまいます。

 33年もかかってしまったということで,
環境汚染を, 汚染が起こる前の状態にするのは,
人間の一生に要する年月に基づいて考えると
とても長い時間になってしまいます。
環境汚染が起こる前に, 起こらないようにすることが最も重要ですが,
人々の理解の相違によって, 問題が明らかになっても,
解決が難航する歴史(*4)を見ると,
昨年の東北地方の大地震が原因で壊れた原子力発電所から出た
放射能の除去について,
カドミウム汚染とは, 恐らく桁違いの年月と人, お金がかかるでしょう。
(*1)の記事のうちの, 富山新聞の記事では,
> 石井驤齟m事が
> 「安全なコメや野菜が生産できる農地をよみがえらせることができた。
> カドミウムの健康被害が発生した唯一の県として
> その教訓を後世に継承したい」と式辞。
とあり, また,
北陸中日新聞の記事(そのうち読めなくなると予想されます)では,
> 石井隆一知事は「教訓を継承し,
> 幅広い世代に伝えることが大切。
> 福島第一原発事故による放射性物質の汚染問題もあり,
> あらためて安全で安心して暮らせる環境の大切さを痛感している」
とあります。そのような式辞を言えるのですから,
北陸電力に, 直ちにしか原子力発電所の停止と廃炉を命じて下さい。

 いつのブログに書いたのか忘れましたが,
私が辞めた某高等教育機関の学生に,
イタイイタイ病について質問してみたのですが,
この病について深くを知らない学生が殆どだったのを覚えています。
もしかしたら, この病が,
殆どの学生の地元である富山で起こったことを知らないのでは,
というような印象を受けました。
富山の小中学校では, そのような地元の公害の歴史を,
どのように教えているのか, 大変気になったことを覚えています。

 ともあれ, 本当に安心して
農作物を育てられる土地になったのであれば,
良かったと思います。
復元事業の関係者に敬意を表します。

(*1) 地元新聞やテレビ局の殆どが採り上げています。
しかし, 北國新聞以外は, 閲覧可能期間は短いものと予想されます。
[URL]

続きを読む

[富山]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット