[富山] 4年半後の, 富山県内在住福島避難者の内部被曝検査
2015-08-28


この記事[1]は, 少しは意味があるのかもしれないなあ, 位に,
あまり深く考えずに読んだのですが,
その後, いくつかのウェブを読むと,
この4年半後の内部被曝測定に,
殆ど意味がないようだと知ることになったので,
少し書くことにしました。

 被曝核種は, 放射性物質が漏れた初期だと
放射性ヨウ素がありますが,
これは半減期が短く, 4年も経てば, 実質いないと見ても良い
放射性核種になります。
それ以外に深刻な被害を与えるのが,
放射性セシウム, 放射性ストロンチウム,
あるいは, 核「燃料」その物であるウラン, プルトニウムでしょう。

 [1]によると, 測定装置は,

> 検査は, ホールボディカウンターと呼ばれる装置で,
> 体内の放射性セシウムの線量を測定します。

とあるのですが, 「ホールボディカウンター」(全身計測器)は,
特定装置の名前のようで,
wikipedia[2]を読むと,

> 体内に存在する放射性物質を体外から計測する装置である。
> 検出可能な計測対象は
> マンガン54, コバルト60, セシウム137など
> ガンマ線放出核種で,
> 生体組織に吸収されずに
> 体外へ漏出するガンマ線を体外に設置する検出器で計測し,
> 微量放射性物質の定量分析や
> 体内分布計測など, 内部被曝の検査に用いる。

とあります。γ線だけを測定するため,
核種が限られてしまいます。
セシウムは量れますが,
内部被曝で最も恐ろしい核種の1つであるストロンチウムは
検出できないようです。

 となると, 実はあまり(殆ど?)意味がない計測のようです。
検出可能なセシウム137は, 生物学的半減期は70日。
4年も経てば, ほぼ無視できる量となるでしょう。

 ううん, なんのためにこんな測定をするのでしょうか?
この検査をやっているのは, 福島県のようなので,
福島県が何らかの意図をもって,
この検査をしているようですが,
意味がない検査をやるということは,
検査をしたぞ, という実績作りのためでしょうか?

 ストロンチウムはβ崩壊のため, 測定が困難とされています。
また, 体内ではカルシウムの代わりに骨や歯に入るので,
基本的には取り込んだら一生そのままです。
わざわざ福島から出てきて測定するのなら,
ストロンチウム90を測るべきです。

 [1]では,

> 福島県によりますと,
> 富山県内に避難している人の数は
> 先月('15/07)現在155人で,
> そのうち受診を予約した人は('15/08)27日までにわずか7人です。

と締めくくっていて, 受診者数が少ないことを強調していますが,
福島から逃げていらっしゃる方々の多くが意味がない測定だから,
7人しか受診を予約をしていないのではないでしょうか。

 折角ホールボディカウンターを使わせてもらえるのであれば,
「応援」のつもりで,
福島の食材を積極的に摂っていらっしゃる方も測定できるようにして,
そのような食生活による被曝の程度を調べる方が,
意味があると思います。

[1] [URL]
[2] [URL]
[富山]

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